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研究所の宿舎に入った所で、勇とひかりに挨拶をして別れる。
「お休みなさい」
「うん。二人共、お疲れ様」
「また宜しくな。いつでも遊びに来いよ」
「はい、有り難うございます」
はきはきと答えて頭を下げた神無の横で、氷月も黙ったまま頭を下げる。
エレベーターに乗り込んで行く二人を見送ってから、ひかりが呟いた。
「……氷月君って、似てる」
「昔の俺にか?」
「うん。それに、前の私にも」
案じる瞳を前に向けたままで続ける。
「私はずっと、自分でも気付かないで一人ぼっちで泣いてた。だけど、勇に会えたから。私は私でいられた。氷月君も、泣いてる。多分、寂しいとか辛いとか言えない位深くで」
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Reservoir Amulet2