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「そうだな……」
同意した勇は、手を隣のひかりの頭に乗せた。
「俺にも、ひかりや暖かい人達がいてくれた。氷月にも、いるよな。神無も鏑さんも、俺達も」
常に気遣う人達。
何も言わなくても、幸せを願っている人達。
「折角だし、あいつにも笑ってほしいよな」
「うん」
いつか、心から笑ってほしい。
折角、此処にいるのだから。
「じゃあその為にも、もう一仕事するか」
「そうだね。後でご褒美に、夜食作ってあげるよ」
「ご褒美って、何のだよ」
怪訝に思って尋ねると、ひかりは晴れやかな笑顔で答えた。
「珍しく、良い事を言ったから」
「こら。珍しくは余計だろ」
気付いてほしい、いつか。
誰にだって、幸せになる資格はあるという事。
人は皆、幸せになる為に生まれて来るのだという事。
今までに、これからに、辛く哀しい現実が降り掛かるとしても。
幸せに微笑む事を責める者などいない。
自分達が、今一緒にいられるように。
幸せは思いがけない様で、不意に訪れるから。
気付いてほしい、いつか。
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