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感覚を頼りに夜の街を進んで行くと、駅の近くの脇道に辿り着いた。

その奥で見えたのは、人の形をした影だった。

いつもの、ぼんやりとした影魂とは様子が違う。

息を飲んだ神無が携帯電話を取り出し、素早く状況を報告する。

「新たに影魂を確認しました。これより鎮静を開始しますので、武器の転送をお願いします」

言い終えて電話を仕舞うのと同時に、二人が腕に付けている小さな装置が光った。

次いで、手元にそれぞれの武器が現れる。

神無が握るのは細身の剣、そして氷月が持つのは長く重みのある太刀だ。

先日、鏑と共に影魂と戦う準備をした時に、自分でこの武器を選んだ。

此処へ来る前に振るっていたのは、こんな太刀だった。

何も持たず、何も思わず。

傷付け奪う事しか知らなかった、昔の自分。

あれから時は過ぎて場は移り、幾つもの変化があった。

でも、最も変わったのは。

変わりたいと願うのは。

今、氷を名乗る自分自身かもしれない。

隣を見ると、凛とした表情の神無が剣を構えていた。

本当に不思議だ。

一人で戦う事しか知らなかった自分が、こうして誰かと呼吸を合わせている。

共に太刀を振るう度、その事実に驚いてしまう。

人は一人でも生きて行けるのかもしれない。

けれど、きっと。

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