06


影魂に向かって太刀を振り下ろした途端、いつもとは違う感覚があった。

人の形を取っているからだろうか。

普段よりも鮮明に、強く訴え掛けて来る。

それはこの魂が、人であった頃の思念。

まだしたい事、やるべき事があったと。

故に、姿を変え様を変えても存在していたいと。

再びの生を渇望すると。

叫びのように、心の奥深くに訴え掛けて来る。

まるで全てを奪おうとするかのように。

神無の方に目を向けると、彼女も苦しそうに顔を歪めていた。

「しっかりしなよ。耳を貸したら駄目だ」

「……分かっています。鎮静しましょう」

その言葉に太刀を握り直し、二人で斬り掛かる。

刃を振り下ろしても、柄を持つ手には何の感覚も無い。

けれど視界を埋めるもやのような影が、確かに攻撃が効いていると知らせる。

それが薄くなり消え行く一瞬、伝わって来る叫びが強くなった。

今までよりも、明確な的確な。

ただ、存在していたいという叫び。

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