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しばらく電車に揺られて着いた駅から、再びバスで移動する。
建ち並ぶ大きな建物が少なくなり、緑が増えて来た辺りでバスを降りた。
そこから更に歩いて、細い道路を抜ける。
近くに小さな山が見える静かな住宅街の中にある古いアパートが見えて来ると、神無はその裏へと回り込んだ。
そこには人目を避けるように、ひっそりとした神社があった。
「天照【てんしょう】神社です。私達が会いに来た方は、此処の巫女さんなんですよ」
赤い鳥居をくぐりながら、辺りの静けさを壊さないよう抑えた声で、神無が説明する。
「ふうん」
氷月は相づちを打って、澄んだ空気で満ちる境内の様子を眺めた。
この場所には、清らかな気が溢れているようで。
まるで大きなものに見守られているかのような安心感がある。
此処にいる巫女ならば、確かな導きを与えてくれるような気がする。
そう思った時、社の中から白の千早と赤い袴に身を包んだ女性が現れた。
気付いた神無が頭を下げて口を開く。
「こんにちは、翼【つばさ】さん」
翼と呼ばれた巫女は側まで来て立ち止まり、二人を見て微笑んだ。
「こんにちは。わざわざ来て頂いてすみません」
「いえ、そんな。こちらこそ、いつもお世話になっています」
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Reservoir Amulet2