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「良いんですよ。神無さん達が、大変な問題を解決する為に忙しくされているのは存じておりますし」

そう言ってから、翼はぼんやり立っている氷月の方へ目を向ける。

「それで、こちらの方は?」

「あ、氷月さんです。最近新しく協力してくれるようになって……」

神無に紹介されて、氷月は軽く頭を下げた。

「……氷月です」

「初めまして。天承【てんしょう】翼と申します。氷月さん、宜しくお願い致します」

丁寧に挨拶を返した翼は、しばらくの間じっと氷月を見詰めた。

切れ長の瞳が深くなり、底の見えない紺青の光を放つ。

やがて、翼は何とも言えない微笑を浮かべた。

寂しくて哀しくて、優しい。

様々な感情が混ざり合った表情で氷月と神無を見比べ、それから静かな口調で言う。

「……良かったですね」

「はい?」

戸惑うように首を傾げた神無に、翼は瞳を和らげて応じた。

「今、お二人が一緒にいられて良かったと思いまして」

「……?」

よく分からずに顔を見合わせた二人に、巫女が調子を変えて切り出す。

「それで、私に何か御用なのですよね」

「あ、そうなんです。影魂の事で、ご意見を聞きたくて」

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