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「大元が後ろにいると思うんだ。これまでに遭遇して来た影魂からは、共通した誰かの悪意を感じるし」

翼はしばらくの間、黙って空を見上げていた。

「悪意……。人の意志は強力ですからね」

そう呟くと、二人の方へ視線を戻して続ける。

「私もそう思います。そして、その人物はあらゆる方法を使って世界を滅ぼそうとしている」

「世界を……?」

聞き返した神無に向かい、巫女は真剣な顔で頷く。

「人の意志には、それ程の力があるんです。けれども、破滅に向かう意志に屈しない強さで救いを願えるのも、人の意志です」

「それが、対抗する手段って事?」

「はい。今、私から言えるのはこれだけです。ですが、お二人がこれからも影魂を鎮めて行くならば、必ず真実が見えて来るでしょう」

そう言うと、翼は優しい瞳をした。

「私に協力出来る事があったら、いつでも仰って下さいね。それにこれから何があるとしても、お二人が一緒ならきっと大丈夫です」

「……あんた、本当は何もかも知ってるんじゃない?」

氷月の探るような視線を受けて、巫女が苦笑を浮かべる。

「いいえ、まさか。私が知っている事なんて、いつもほんの僅かです。日々起こる様々な出来事は、幾つもの意志の力で無限に形を変えて行くものですし」

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