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「ほら、行くぞ」
彼特有の少し慣れていないような笑顔で促し、先に立って歩き出す。
その少しぎこちなさの残る笑顔が、普段気さくな勇の以前の姿を想像させた。
何も無いと思っていた、張り詰めていたという頃の彼を。
それでも今は違うと、変わって行けるんだと。
確かな答えを、導きを与えてくれるから。
笑ってみたくなる。
例えぎこちなくても、不器用でも。
心から笑う事が出来たなら。
笑いたいと思えたなら。
自分も、誰かの微笑みを生む力になれる日が来るかもしれない。
誰かの微笑みの理由になれるかもしれない。
もしもそうなれたら、それはきっと。
此処にいる理由になる。
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Reservoir Amulet2