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「どうしたんでしょう、急に」
神無が驚いたように目を丸くしている。
どうやら、あの不自然さには気付かなかったらしい。
「さあね」
そう答えてから、氷月は改めて神無に目を向けた。
「悪くないね。よく似合ってるよ」
「あ、有り難うございます」
頭を下げた神無を見て、ふと自分の服の胸元に手をやった。
ポケットにいつも差している簪を抜き取る。
「これ、着けるといいよ」
「えっ?」
「ちょっと、じっとして」
そう告げて、結い上げた神無の髪に簪を注意深く挿す。
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Reservoir Amulet2