13
通りに出ると、予想以上の人の多さに驚いた。
これでは、影魂が現れ易いというのも頷ける。
人の波に流されるように、通りの先にある大きな寺へと向かう。
「今夜は、きっと翼さんもお忙しいんでしょうね」
一人で神社を管理している巫女を思いながら、神無が呟く。
「そうだね」
相づちを打ちながら、空に浮かぶ月を見上げた。
冬の凍るような月は、今宵も美しい。
胸が締め付けられる程に、澄み渡る光を注ぐ。
視界の端で、同じ色の飾り玉が揺れる。
簪を髪に挿した神無は、ひかりも言っていたように着物を違和感無く着こなしていた。
- 93 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2