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「この時代の人って、神とかにはあまり興味無いのかと思ってたけど。こんなに大勢の人がお参りに行くんだね」

「そうですね、大晦日ですから」

神無はしばらく考えてから、柔らかい表情で付け足した。

「きっと皆さん、大切な願いを掛けに行くんですよ」

「願い、か……」

自分にしか聞こえない声で呟き、氷月は微かに目を細めた。

遥か時の向こう、凍てついた空に消え失せた叫び。

神などいないと、無情な世界を呪った。

生々しい痛みが、胸を抉る。

今は、どうなのだろう。

思いもよらぬ仕方で、今此処にいる自分は。

無情な世界のその先を、信じていられるのだろうか。





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