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流れ込んで行く人々に混ざって、寺の中へと入り込む。
境内は物凄い混雑で、身動きをとるのも大変な程だった。
はぐれないように気を付けている内に、二人はいつしか手を繋いでいた。
「もうすぐ年が明ける頃ですね」
周りの様子を見て神無が言った時、不意に冷気を感じた。
心の深くを引っ掻くような、異質な雰囲気。
間違いない、影魂がいる。
神無も気が付いたようで、その瞳が鋭く光った。
二人は気配を辿り、人々の間を縫って歩き出した。
中々速く進めなかったが、寺の裏手に回ると人もいなかった。
更に行った、建物の陰。
月明かりも届かない暗がりに。
人の形をした影がある。
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Reservoir Amulet2