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それを見て、研究所へと連絡を入れる。
転送されて来た武器を掴み、相手を見据える。
ざわざわとした喧騒が遠くなる。
心が研ぎ澄まされる。
取り憑こうと動く影魂をかわし、太刀を振り上げる。
断ち切るように下ろしても、感覚は無い。
確かに当たったと分かるのは、途端に入り込んで来る思念だ。
まだ生きていたい、この世に留まっていたいと。
神無が僅かに顔を歪め、それでも遅れずに剣を薙ぐ。
飛び散った影が薄くなり、そして消えて行く。
「…………」
無言のまま、神無は目を閉じ手を合わせた。
生への叫びが完全に聞こえなくなるまで、最近の彼女はいつもそうしている。
いつかまた生まれ来る命の幸いを願い、今宵も祈りは捧げられる。
夜空に昇る祈りは、きっと届くだろう。
神無を見ていると、どうしてかそう思える。
鎮静の報告をして武器が転送された瞬間、見上げた空に何かが伸びているように見えた。
(糸か……?)
黒い影のような糸は、一瞬で見えなくなった。
気のせいだっただろうか。
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Reservoir Amulet2