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火影は相変わらず迫力のある眼光を向けて言葉を重ねる。

「以前の姐さんはもっと冷たくて、近付きにくい方でした。それが今のように柔らかく優しくなったのは、もしかしたらあんたのおかげかと」

「冷たくて、近付きにくい……。翼さんが?」

思わず聞き返してから、翼と初めて会った頃の記憶を辿る。

確かにあの頃は、今よりずっと冷たい眼差しをしていたような気がする。

しかしそれは、出会ったばかりだからかと思っていた。

だから今、冗談を言ったり笑ったりする姿を見る度に少しずつ打ち解けられたようで嬉しくて。

「もしもそうなら、自分からもお礼を言わせて下さい。有り難うございます」

火影に真剣に頭を下げられ、慌てて手を振る。

「いや、俺は別に何も……」

そう言った後、気になっていた事を勇気を出して尋ねてみる。

「どうして彼女を姐さんと?」

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Reservoir Amulet2