03
その時、今度は電話の着信があった。
通話ボタンを押して耳に当てると、翼の声が聞こえて来た。
『あ、大地さん。今、お忙しいですか?』
「いや、今日は休みだ」
『そうですか、丁度良かったです。あの、メルマガは届きましたか?』
「ああ。祭りがあるそうだな」
そう答えると、電話越しの声が嬉しそうに弾む。
『はい、そうなんです!良かったら、大地さんにも是非来て頂きたいのですけど』
「それは構わないが」
大地は少し迷ったが、結局は口にした。
「貴女一人で祭りの準備をするのは大変だろう?俺で良ければ、手伝うが」
『え、本当ですか?助かります』
翼の言葉を聞いて、言って良かったと思う。
大地は後で向かうと約束して、電話を切った。
天照神社の祭りとは、どんなものなのか想像もつかない。
今まですぐ裏のこのアパートに住んでいるのに、祭りがある事さえ知らなかったのだ。
多分、普通に夜店が出て賑やかな祭りとは違うのだろう。
しかしそれでも、あの神社の心洗われる空気を考えれば。
きっと悪いものではないと想像出来る。
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Reservoir Amulet2