08
翼はすっと手を伸ばすと、大地の胸元に当てた。
「出て来なさい」
静かだが、抗う事を許さない声の響き。
一瞬後、何か黒い影のようなものが体から出て来るのが分かった。
それが離れると、すぐに呼吸が楽になる。
思わず膝から崩れ落ちそうになったが、翼が素早く腕を伸ばして支えてくれた。
そして、空中に漂う影に向けて剣を突き付ける。
「もう、鎮まりなさい」
言い放つと同時に剣を横になぐ。
影はかき消えたように見えなくなった。
静寂が何事も無かったかのように境内を満たす。
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Reservoir Amulet2