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心地良い冷たさが、そっと頬に触れる。

目を開けると、紺青の瞳と目が合った。

「あ……。起こしてしまいましたか?」

降って来る声は、会ったばかりの頃よりも随分優しく柔らかくなったようで。

触れる手のひらと同様に、とても心地良く思える。

「食事の用意が出来ましたけど、召し上がれますか?」

「……ああ」

体を起こそうとすると、翼が支えてくれた。

間近で揺れる睫毛を見ながら呟く。

「夢を見ていた」

「……?」

唐突な言葉に、問い掛けるような眼差しが向けられる。

大地は笑みを洩らしながら続けた。

「貴女と、初めて出会った時の」

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Reservoir Amulet2