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広々とした室内にはデスクとパソコンが並び、白衣の研究員達が忙しく動き回っている。

二人が入って行くと、皆は一瞬困惑したような顔をした。

けれど事情を分かっているのか、すぐに神妙な表情を浮かべて頭を下げて来る。

「どうだ?」

鏑が話し掛けた一人の研究員は立ち上がって応じた。

「順調です」

短く答えた男の研究員の隣にいた、随分年若く見える女性も腰を上げる。

「清世さん、こちらが?」

「ああ。天承さんが言ってた、間無さんだ」

「そうですか……。来てくれて良かった」

鏑の返事に、男の方がほっとしたように笑う。

それから、思い出したように大地に向き直った。

「あ、俺は神崎【かんざき】勇【いさむ】です。天承さんは、我々の研究によく協力してくれていました」

「神崎ひかりといいます」

女性の方も、そう名乗ってお辞儀をする。

同じ名字という事は、二人は夫婦なのだろうか。

そう思いながら、大地も頭を下げた。

「……間無大地です」

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