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恐らく彼女はその鋭い眼差しで、巫女でなければ気付かないものを見ているのだ。

一体何を瞳に映しているのかは分からない。

けれどそれはきっと、普通に生きているだけでは見過ごしてしまうような。

知らないならそれで済むかもしれない、でも知っていると視界が広くなるような。

人間以外から見た、世界だ。

やがて翼は、目を細めて口を開いた。

「足跡が残っていますね」

「足跡?」

その言葉に、大地も改めて血の海の方を見る。

しかし、僅かに残っていた死体が検死の為に運び去られている事と、鑑識の数が更に増えている事以外には、先程と特に変化は無い。

「ほら。あそこと、此処にも」

翼はそう言って、路地を挟む壁を指差した。

大地は目を凝らしたが、派手に血が飛んでいる以外は何も見えない。

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Reservoir Amulet2