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「……俺には見えないが」

「でも、あるんです。此処にはまだくっきりと気配が残っていますから、辿って行けると思います」

翼は真顔で言い返して、素早くビニールシートに手を掛ける。

「こちらに続いているようですから、追いましょう。きっと遠くには行っていないと思います」

「……全く悪い冗談だな」

分かっていた事ではあるが、文句の一つも言わなければやっていられない。

大地は溜息をついて、急いで翼の後を追った。

なるべく人目を避けながら、増えている人々の間を抜けて歩き出す。

路地を出た後も、翼は迷わず先に進んだ。

「何処に行ったか、分かるのか」

「はい。何となくですが、こちらだと思います」

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Reservoir Amulet2