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人の姿を取った須佐之男は、世界に巣食う人の思念を集める影の存在と成った。

しかし、それでも争いは止まなかった。

だからとうとう、昼を治める神で在る事を捨てようと決めた。

日神で在る身を捨て、人の姿を取った。

そして人の想いを集めて残す道を選んだ。

長い時が過ぎ、沢山のものを見た。

いつしか自分のかつての姿も忘れ、思念を担う弟を止めなくてはならなくなった。

しかし彼が弟神で在った事さえ、既に時の彼方へ消えていた。

長い長い時をただ、一人で生きていた。

想いを担う者で在りながら、想いの真の価値を知らぬままに。

山のふもとの小さな神社で、一人日々を過ごしていた。

人でないものとは関わっていたけれど、人と関わる事は滅多に無かった。

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