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答えた巫女の横顔を見て、浮かんだ疑問を口にする。

「その感覚は、どういうものなんだ?五感に頼っているのではないんだろう?」

「そうですね。説明するのはちょっと難しいのですが」

翼は真面目に言葉を探し、続けた。

「見えないものを見て、聞こえないものを聞くんです。目や耳ではなく、心で感じ取るんですよ」

「難しそうだな」

「そんな事はありません。その存在を知れば誰にでも出来ますよ。大地さんも、私に会う前と今とでは違うでしょう」

「それはそうだが」

以前はそんな存在さえ知らなかった。

極めて常識的に生きていたのが、どういう訳か今では巫女に捜査を依頼する身となっている。

翼が微笑んで、周囲の街並みに目を向ける。

「この辺りは昔のままの緑が、もうほとんど残っていませんね。その代わりに人間が造ったビルや道路になっています。人にとっては住み易く便利になっているのかもしれませんが、人間以外のものにとってはどうなのでしょうね」

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