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「人が存在する限り、消えはしないでしょう」
翼は淡々と続ける。
「そしてそれを集めていた存在が消えた今、世界に散らばる。だから私は、これからは想いと思念を担います」
永遠に、人の世を見守りながら。
その暖かさと冷たさを、一身に負って。
均衡が崩れぬように。
「翼さん」
大地は強い光をたたえる紺青の瞳を見詰めた。
自分に出来る事を、やっと見付けたと思った。
「俺では、駄目か?」
「はい?」
「俺が、人の思念を集める。闇を担う存在となる。それでは駄目か?」
「……本気で仰っているんですか?」
翼は信じられないといった顔で見詰め返した。
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Reservoir Amulet2