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「……大丈夫ですか?大地さん」

間近で揺れる瞳に感じる愛しさに比べれば、耐えるのは容易い。

「当たり前だ」

人として普通に生き、歳を重ねていつか消える。

その道は断たれた。

それでも、時の流れから切り離される存在になるのだとしても。

たった一つ大切なものが側に在れば、充分なのだと。

そう思うから、知ったから、再び軽く口付ける。

「貴女は何も心配しなくていい。俺は、貴女さえいれば大丈夫だから」

「……大地さん」

翼が目を逸らして呟いた。

「大地さんは、やはり大地さんですね」

「何がだ?」

「いえ。確かに昔とは違いますが、本質は同じだと思いまして」

「そうか?」

とてもあんなに大胆にはなれないと思いながら言うと、翼は微笑んだ。

「ええ。そうですよ」

その笑顔がとても幸せそうに見えて、胸が熱くなる。

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