04
「大丈夫です。繁森さんに矢島さん、火影さんも皆お元気ですよ」
「ああ。俺もたまに連絡するから知っている」
気遣う瞳を向けた翼を安心させるように返して、そっと抱き寄せる。
「それに言っただろう。貴女がいてくれるから、俺は一人じゃない」
止めようもなく、時は流れて。
これから先、きっと避けられない別れはやって来る。
寂しくない訳ではないけれど、此処にこうしている事に後悔などしない。
「こうして世界の片隅で営みを見守っている今、貴女と過ごしている今が、俺は幸せだ」
「……はい」
もたれかかる翼の髪に唇を付ける。
指で白い頬に触れ、温もりを確かめる。
至近距離で見詰め合い、吐息が混ざり合った瞬間、軽やかなメロディが響き渡った。
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Reservoir Amulet2