09


「さあ、お二人共。奥へどうぞ」

「ちょっと早いが、しっかり祝わないとな」

「……?は、はあ」

「あんた達、さっきから何か変じゃない?」

首を傾げている二人を導きながら、ふと空を見上げる。

暖かな日射しの中、目に映る空は青い。

何も出来ないと思っていた自分に出来る事に、ようやく気付けたようだ。

ただ、側にいる事。

移り変わって行く世界で、何事も無く当たり前に。

胸の奥に確かに在る闇の思念は冷たくて。

存在を忘れさせないというように、常に影を落とすけれど。

もう哀しませたくはないから、強くなれる。

迷わず恐れず、信じ続けていられる。

だって、いつも。

- 215 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2