08


何とか仕事が一段落して帰宅しようとした時には、もう既に日はすっかり落ちていた。

今日は夫の不倫相手を刺した嫁の取り調べという極めて現実的な仕事をしたのだが、それがやけに疲れる仕事だった。

感情的になった嫁を落ち着かせるところから始まり、次には延々夫の愚痴を聞かされる羽目になったからだ。

非現実的な事件も大変だが、現実的でも苦労は変わらないと実感した。

溜息をつきながら車に乗り込んで鞄を助手席に置いた時、中に入っている煎餅の存在を思い出した。

忘れずに翼に届けなくては。

そして、それと同時に今朝のメールの事も思い出した。

元々信じてはいないが、こんなメールに呪いの力なんてあるのだろうか。

どう見てもただの悪戯としか思えない文面をもう一度眺め、守の言葉を思い返しながら携帯を置いてハンドルを握る。

何らかの力があるから、本気で怯える人も出て来るのだろうか。

一応専門家に訊いてみた方が良いのだろうか。

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