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笑顔で返されたが、言い切られても余計に心配になるばかりだ。
しかし、とにかく忘れない内に預かって来た物を渡さなくては。
取り敢えず保温バッグを車のシートに乗せて、自分の鞄から大きな煎餅の袋を二つ取り出す。
「矢島警部と繁森から、貴女に渡すように頼まれた」
「わあ、有り難うございます!いつもすみません」
こんなに嬉しそうにされると、かえって申し訳なく思えてくる。
「よっぽど煎餅が好きなんだな」
「はい。だって美味しいじゃないですか」
「まあ、そうだな」
本人が満足しているなら何も言う事は無い。
大地は頷いてから、思い付いて上着のポケットに入れていた携帯を取り出した。
「貴女に訊きたい事があるんだが」
「はい?何でしょうか」
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Reservoir Amulet2