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大地はほっとして電話を切り、喫茶店の中へと戻った。

先程まで自分が座っていた席の向かいには、一人の女性が優雅に紅茶を飲んでいる。

遠目で見ている分には絵になる光景だが、どうして一緒にいるのがよりによって自分なのか。

溜息をついてからそのテーブルへと歩み寄り、椅子に座り直す。

「失礼しました」

「いいえ。彼女は何て?」

「すぐに来てくれるそうです。申し訳ありませんが、もうしばらくお待ち下さい」

「気にしないで、私は構わないから。それよりも、こんな急な話なのにすぐに来てくれるなんて、随分良い方なのね」

「どんな時も、彼女はそうですよ。誰かの力になりたいという気持ちはとても強いようです」

「そう。お会いするのが楽しみだわ」

柔らかな声音で話すこの女性は、大地の上司である矢島の知り合いの娘だ。

どうして本来なら仕事をしている筈の時間に、こんな所で二人お茶をしているのか。

もう何度も考えた事を、大地は再び思い返した。





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