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「えっ?」
女性が驚いたように目を見張り、大地も巫女の横顔を見詰める。
その眼差しは、今までに見た事が無い程険しく鋭かった。
「行方不明になったまま、未だお帰りにならない。そうではありませんか?」
「そ、そうだけど、どうして分かったの?そんな事……」
翼はその質問には答えず、運ばれて来た紅茶を一口飲んだ。
それから唐突に立ち上がり、提案する。
「お話を聞くよりも、実際に見た方が良いでしょう。家にお邪魔させて頂いても宜しいでしょうか」
口調は静かだったが、何処か有無を言わせぬ響きがあった。
気圧されたように女性が頷いて席を立つ。
伝票を手に大地がテーブルを離れる時、翼と一瞬目が合った。
普段は大抵穏やかな微笑をたたえているのに、今は違う。
すぐに逸らされた瞳にあった光は、怒りだろうか。
それは紺青の瞳の中で、静かに熱く燃え盛る炎。
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Reservoir Amulet2