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女性は大きな家のリビングへと二人を導いた。

広い室内に足を踏み入れて一番最初に目に付く壁に、問題の掛け軸は飾られていた。

近付いて眺めると、確かに血のような染みが点々と浮かんでいる。

それをしばらくじっと見詰めていた翼が微かな息を洩らしてから、お茶を運んで来た女性に目を向ける。

「これは貴女のご主人が大切にしていた物なのですよね。貴女はこれが高価だと知っていたから、此処から外そうとはしなかった。迂闊でしたね。こういう現象は死者からのメッセージである場合が多いと、考える方は多いでしょうに」

「……まさか、行方不明になっているというご主人は」

はっとした大地が口を開くと、翼は女性を見据えたまま頷いた。

「奥様。この染みはご主人の言葉です。自分はこの裏にいると」

言うなり翼が素早く掛け軸を取り外す。

その裏には壁に埋め込まれた金庫があった。

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