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はっとして尋ねると、千景は苦笑して手を振った。

「違うわよ。本人の話では、着地に失敗しちゃったんですって。午後の回も出るって言ってるけど、ちょっと心配なのよね」

溜息をついた千景が、気分を変えるように明るく言う。

「スタッフの皆も気を付けているけど、出演者へのプレゼントとか花束にも変な物は無いわ。お客さんもいつも通り家族連れが多いみたいだし」

「そうか」

今、四人が立っている場所からはステージがよく見える。

怪しい人間が近付いている様子は無い。

「だが、手紙があった以上は午後も気は抜けないな」

「ええ。私も気を付けておくわ。ショーの最中は、ステージの袖に控えているから」

その時、黙って聞いていた翼が口を開いた。

「そうですね。注意していた方が良いと思います」

「何か分かったのか」

「いいえ。私はどんな手紙が届いたのかも存じませんから。でも嫌な感じがします」

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