19


「ああ。危険な役目をさせてすまない。俺達も見張っているが、注意はしていてくれ」

「はい」

とは言っても、もしも翼にしか対処出来無い何かが起こったら、自分達がいたところで力にはなれないのだが。

結局最後は頼るだけで、情けない話だ。

思わず自嘲の笑みを洩らした時、翼が微笑んで言った。

「信じています。大地さん」

見返した瞳は宵闇のように深い色をしていて。

自分よりも年下の筈なのに、そうは思えない程の力を宿している。

一体翼はその切れ長の瞳で、いつもどんな世界を見詰めているのか。

そんな事を考えながら、微笑み返す。

「ああ。貴女も無茶はするなよ」

たった一言で相手の心を軽く出来る彼女は、いつも何を思いそこにいるのか。

その心もきっと、瞳と同じで底が見えない深さがあるのだろう。





- 75 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2