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その時、大地はそれを見た。
黒い影が糸のようになって伸びている。
翼はそれを演技の中にごまかしながら、右手に集めているのだ。
横に立つ守も、他の観客も気付いた様子は無い。
糸が伸びる方を目で辿ったが、その先には空しか見えなかった。
そして無事に悪が倒されショーは終わった。
拍手をする観客に笑顔で手を振りながら、翼がほっとした顔をしているのを、大地は見逃さなかった。
少ししてから控え室を訪れると、翼は既に着替えを済ませて煎餅を食べていた。
「やっぱりこちらの方が落ち着きますね」
やれやれと息をつく巫女に向かい、少し躊躇してから尋ねる。
「ショーでは、何か無かったか?」
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Reservoir Amulet2