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その夜、大地は天照神社を訪れた。

これまで翼が人目を忍ぶようにして出掛けていたのはもっと遅い時間だったから、今ならまだいる筈だ。

予想通り彼女は神社にいたが、既に洋服に身を包んで出掛ける支度を整えていた。

「どうしました、大地さん。こんな時間に」

「貴女こそ、どうした。何処かへ出掛けるのか」

驚いて目を見張った翼に静かに尋ねると、気まずそうに目を逸らされた。

誰かと話す時は必ず視線を合わせようとするのに、怪しい。

「最近、毎日のように夜に出掛けているな。何か危険な事をしているんじゃないだろうな」

「そんな怖い顔をしないで下さい。取り調べでもされているような気分になるじゃないですか」

翼は苦笑を浮かべて冗談のような口調で言ったが、それ位ではごまかされるものか。

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