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唐突に名前を呼ばれ、翼は驚いたように大地を見た。

「は、はい?何でしょう」

「もしも俺に何か出来る事があれば言ってくれ」

何もありはしないだろうと分かっていても、黙ってはいられなかった。

彼女は毎晩、ほとんど睡眠もとらずに一人で世界の為に戦っているのだ。

相手が何者なのかも分からないままに。

知らない振りなど、到底出来ない。

すると翼は、ふわりと柔らかな微笑を浮かべた。

「はい。有り難うございます」

そして、空を見上げて続ける。

「では、信じていて下さい。世界の美しさを、生きている歓びを。それはきっと、最強の力になりますから」

「ああ、分かった」

真面目に頷くと、翼が大地に視線を戻した。

「今後、あれが原因で犯罪が増える事もあるでしょう。何かあったらすぐに私を呼んで下さい。飛んで行きますから」

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