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こんな時はそれも無くて、少しだけ親しくなれたような気がする。

「では、今夜はそろそろ帰りましょうか」

「もう良いのか?」

「ええ。ひとまず目的は果たせましたから」

目的とは、呪いを返せたという事だろうか。

考えている大地の横で、翼がバッグから煎餅の袋を取り出した。

「ふう、呪いを返すとお腹がすきますね」

ぱりぱりと煎餅を食べながら、独り言のように呟く。

「全く、こちらの苦労も知らないで好き勝手に呪いなんて掛けて。このままでは済ませませんよ」

「……何か危ない事をするつもりじゃないだろうな」

何となく不穏なものを感じて尋ねると、翼は先程までとは全く違う笑みを浮かべた。

不敵な、という表現が適切な、考えの読めない笑みを。

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Reservoir Amulet2