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由貴がポケットから例のチラシを取り出して見せる。

「吉兆吉相吉祥……。また縁起の良い言葉が並んでいますね」

「へええー。これ、きっちょうきっそうきっしょうって読むんですか!」

「はい、そうですよ。ついでに、こちらは吉辰吉日吉報ですね」

「きっしんきちじつきっぽう……」

元気に繰り返した由貴は、忘れまいとするかのように再び最初から口にした。

「きっちょうきっそうきっしょうきっしんきちじつきっぽう……。な、何か早口言葉みたいですね」

「あはは、そうですね」

何だか和やかな授業のような雰囲気だ。

そう思った敦は、黒曜に向かって言った。

「黒曜さんって、何だか先生みたいですね」

「おや、そうですか。まあ長く生きていますし、普段尖った問題児の世話をしていますからねえ」

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