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口を揃えて礼を言い飛び出して行く二人を、黒曜はにこやかに手を振って見送った。

「またいつでもどうぞ。あ、今度は是非、翠琉さんや紗貴さんもご一緒に」

ドアが閉まり、店内にはまたいつもの静寂が戻って来る。

「……さて、そろそろ準備をしましょうか。困った問題児の為に」

集めた本を抱え直す黒曜の笑みは底知れず、深い。

「彼にも分かってもらわなくては。友情や愛情といった人の繋がりの暖かさを。由貴くんや敦くんのように、側にいる存在が如何に尊いかを」

その為に、この行き場の無い感情を。

燃え上がらせるまま、黒き翼を広げよう。





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