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「どれも気にいらないだなんて、やっぱり私にはこんな綺麗な衣は似合わないのかしら」

脱いだ上着を手に取りながら呟く。

今日は朝から祝言の際に着る衣装を選んでいたのだが、用意したどの衣を着ても帝が満足する様子は無かった。

そして終いには、どれもお前には似合わぬと言い捨てて出て行ってしまった。

「そんな事は無いでしょう。どの衣もすぐに着こなしていたではありませんか」

角鹿が励ますように言うと、扶鋤も頷いた。

「あの男の感覚が異常なだけだ。お前は何を着ても美しいと思う」

「……おや」

扶鋤の言葉に、角鹿が面白がるように言う。

「貴方がそんな事を言うなんて珍しいですね。よりにもよって帝の妃に横恋慕とは。報われぬ恋には同情しますよ」

「……馬鹿な事を言うな」

「何ですか、今の間は。怪しいですね」

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