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「さっきのは、俺の見間違いだったのか」

「静嵐?」

低く呟いた内容が聞き取れずに首を傾げると、静嵐は黙ったまま正面に座って手を伸ばして来た。

大きな手が、頬を包み込む。

「有り難う。お前が高校生でいる姿を、見ておきたかった」

低い声が、少し切なげに揺れる。

「長い長い旅で、俺は幾度と無くお前を傷付けたから。元気で普通に過ごしている事を確かめたかった」

尽きない悔恨。

絶えず胸を締め付ける痛みを、自分も知っているから。

温もりを分け合うように、手を重ねる。

「静嵐。前にも言いましたよね。私は貴方にまた会えて、とても幸せです。貴方が願ってくれたから、私は此処にいる」

どうしたら、伝わるのだろう。

こうして一緒にいられるだけで、充分過ぎる程に満たされているのに。

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Reservoir Amulet2