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「結芽ちゃん、こんな話知ってる?」

思考を読んだかのように、ソムニウムが訊いた。

「大地に降りた月の姫と、帝の恋のお話」

「ああ……。かぐや姫ですね。最後にはかぐや姫が帝への想いを忘れて月へ帰ってしまう、綺麗だけど悲しい恋のお話ですよね」

子供の頃、本でよく読んでいた話だ。

古典の授業でも習ったし、よく覚えている。

思い出しながら答えると、ソムニウムは頷いた。

「うん、そうだね。だけど、本当はそうじゃないのかもしれない」

「え?」

「本当は月の姫は地上に生きる事を選び、帝と寄り添って人の生を全うしたのかもしれない。もう誰も知らない伝説を、この大地は知っているのかもしれない」

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