07
「結芽ちゃん、こんな話知ってる?」
思考を読んだかのように、ソムニウムが訊いた。
「大地に降りた月の姫と、帝の恋のお話」
「ああ……。かぐや姫ですね。最後にはかぐや姫が帝への想いを忘れて月へ帰ってしまう、綺麗だけど悲しい恋のお話ですよね」
子供の頃、本でよく読んでいた話だ。
古典の授業でも習ったし、よく覚えている。
思い出しながら答えると、ソムニウムは頷いた。
「うん、そうだね。だけど、本当はそうじゃないのかもしれない」
「え?」
「本当は月の姫は地上に生きる事を選び、帝と寄り添って人の生を全うしたのかもしれない。もう誰も知らない伝説を、この大地は知っているのかもしれない」
- 10 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2