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「君は忘れてしまったかもしれないけど、この世界にはいつだって夢や幻想が溢れてるんだよ。例えば、この公園」

ソムニウムは手品師のように手を動かして続ける。

「此処は心が離れてしまった幼馴染が、再び想いを繋いだ場所でね。それにある世界の騎士と王女が、秘めていた愛を語らった場所でもある」

「……はあ」

幼馴染はともかく、騎士と王女なんて。

一体何が言いたいのか分からず、結芽は曖昧な反応をした。

「駅前の通りやライブハウスでは、今夜も音楽が奏でられてた。死も時も越える想いを信じて、彼等はいつも奏で続けてる」

その口調は静かで、もう何度も語り続けている物語を紡ぐ話し手のようだった。

「その証明のように、想いを込めた弔いと愛の歌が、遥かな時を越えてある二人を巡り会わせた。決して結ばれないと思えた吸血鬼と旅の歌人をね」

吸血鬼。

またも、非日常な単語が入って来た。

「その歌を継いだ人の中に、眠りの姫と目覚めさせた王子がいる。戦乱の世界で出会った二人の祈りは、今も尚芽吹きを待ってるんだ」

童話の眠り姫の事だろうか。

あの話に、戦乱の世だなんて出て来なかったと思うけれど。

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