上空で誓いのダンスを
バ怪盗と別れた後、エレベーターに向かうと丁度彼らが降りて来た所だった。なんて言うか、タイミング悪すぎる。
「ったく…直ぐ戻るとかよく言うぜ。全然戻って来ねーじゃねぇか」
「ほー…?蘭をいつまでも待たせているのはどこの誰だっけ?」
「それは…っておめーもだろ!で?本当は何してたんだよ」
真っ直ぐな視線から逃げるように、エレベーターボタンを押して振り返る。
「…内緒」
「内緒っておめーなぁ!」
「これ以上、女の秘密を詮索するなんて、不躾にも程があるわ。それくらいにしといたら?」
距離を詰めようとしたコナンを止めたのは意外なことに哀だった。
「っていうわけ。じゃ」
まだ何か言いたげなコナンと呆れた様子の哀に見送られ、エレベーターはゆっくり閉じる。上昇する箱の中で静かに瞼を閉じた。
上に着くとまず噂のビッグジュエル、“レディースカイ”を見る。それほど魅力的には見えない。
本来の目的を果たすため辺りを見渡した。センサーに防弾ガラス、指紋認証、暗証番号。非常用の梯子が天井まで続いており、上から脱出できる様になっている。
最後に一仕事して、エレベーターボタンを押すが直ぐ開くはずがなかなか開かない。どうやらぼんやりとしている間に下まで行ってしまったらしい。一人溜め息を吐きエレベーターを待つ。チーンという音と共に現れたのはエレベーターと蘭だった。
「あ、蘭姉」
「ルオンくん!あ、そうそう!コナンくんがさっき探してたわよ?」
意味をかみ砕き一人納得する。理由が分かった僕はエレベーターに乗り蘭にお礼を言ってから閉ボタンを押した。
開いた扉の向こうで待ち構えていたのはウエイター。
「よっ!」
「なんだ、もう偽んないわけ?」
「おめー相手に偽る方が無理な事だって学習したからな」
「それはそれは高い学習能力をお持ちで」
軽く会話交わしつつ場所を移動する。途中で誰にも会わなければいいけど…と思っていた矢先、背後でエレベーターの動く音がし始めた。
早々に蘭が帰ってきたらしい。目配せして階段を少し降りたところに二人で身を潜める。
「…近いんだけど」
「そうかぁ?」
「あまり寄らないでくれる?」
「まあまあ、静かにしねぇと気づかれるぜ?」
………やっぱコイツ嫌い。