上空で誓いのダンスを


バ怪盗と別れた後、エレベーターに向かうと丁度彼らが降りて来た所だった。なんて言うか、タイミング悪すぎる。

「ったく…直ぐ戻るとかよく言うぜ。全然戻って来ねーじゃねぇか」
「ほー…?蘭をいつまでも待たせているのはどこの誰だっけ?」
「それは…っておめーもだろ!で?本当は何してたんだよ」

真っ直ぐな視線から逃げるように、エレベーターボタンを押して振り返る。

「…内緒」
「内緒っておめーなぁ!」
「これ以上、女の秘密を詮索するなんて、不躾にも程があるわ。それくらいにしといたら?」

距離を詰めようとしたコナンを止めたのは意外なことに哀だった。

「っていうわけ。じゃ」

まだ何か言いたげなコナンと呆れた様子の哀に見送られ、エレベーターはゆっくり閉じる。上昇する箱の中で静かに瞼を閉じた。

▽▲▽


上に着くとまず噂のビッグジュエル、“レディースカイ”を見る。それほど魅力的には見えない。

本来の目的を果たすため辺りを見渡した。センサーに防弾ガラス、指紋認証、暗証番号。非常用の梯子が天井まで続いており、上から脱出できる様になっている。

最後に一仕事して、エレベーターボタンを押すが直ぐ開くはずがなかなか開かない。どうやらぼんやりとしている間に下まで行ってしまったらしい。一人溜め息を吐きエレベーターを待つ。チーンという音と共に現れたのはエレベーターと蘭だった。

「あ、蘭姉」
「ルオンくん!あ、そうそう!コナンくんがさっき探してたわよ?」

意味をかみ砕き一人納得する。理由が分かった僕はエレベーターに乗り蘭にお礼を言ってから閉ボタンを押した。

▽▲▽


開いた扉の向こうで待ち構えていたのはウエイター。

「よっ!」
「なんだ、もう偽んないわけ?」
「おめー相手に偽る方が無理な事だって学習したからな」
「それはそれは高い学習能力をお持ちで」

軽く会話交わしつつ場所を移動する。途中で誰にも会わなければいいけど…と思っていた矢先、背後でエレベーターの動く音がし始めた。

早々に蘭が帰ってきたらしい。目配せして階段を少し降りたところに二人で身を潜める。

「…近いんだけど」
「そうかぁ?」
「あまり寄らないでくれる?」
「まあまあ、静かにしねぇと気づかれるぜ?」

………やっぱコイツ嫌い。