第二関門突破
風が私と川の向かいに座るサスケの髪を掬う。
サスケと私は話しをしている内に互いの共通点を見つけた。それは言わずもがな、大蛇丸との接触と残された呪印。
「そうか…お前も…」
「影響は?」
「お前と同じで持続的に痛むだけだ。あと、チャクラをねると痛みが増す」
そういえば、と思いつき、俯いていた顔を上げた。シカマルと同じような黒い瞳とかち合う。
「どうした?なんか分かったのか?」
「…呪印にチャクラを集中させたらどうなるのか、と」
「確かに…気になるな」
「試してみる価値は…ある」
「オイ、待て!んな事して呪印が暴走したらどーすんだ!?」
ふむ…と今度は私が考え込む。サスケは真剣に私を心配してくれているのがわかった。思っていたよりいいやつなのかもしれない。
「ならば、見ていてくれ」
「……!暴走したらオレが止めろってことか」
私は静かに頷いて見せる。そして私は目を閉じ、チャクラに集中した。突貫、両目に鋭い痛みが走り思わずうずくまる。
「うあ゛っ…!!」
「!?お、おい!!しっかりしろ!!目が痛むのか!?」
サスケが慌てて駆け寄って来たのが気配で分かった。
鋭く目の奥が痛む。サスケの声が遠退く。ガッと腕を掴まれ遠退く意識が戻ってきた。
「っ!!!レイ、その目!!」
サスケの言葉の真意が分からず、自分で確認を取ろうと川を覗き込む。
水面には二つの赤が、ゆらゆらと頼りなげに揺れた。
直ぐに元の薄緑色の瞳に戻ってしまったが確かにあれは写輪眼だった。
しかし本当に分からない…何故だ…
悶々と考え込んでいると鋭い殺気を感じ我に帰った。
「レイっ!!」
「っ!?」
目の前にはクナイを振り上げた雨隠れの忍びがいた。交戦中の真っただ中であったのにすっかり物思いに耽ってしまっていたのだ。瞬時に刀に手をかけるが、同時に間に合わないと悟るが、敵の動きがピタリと止まった。
「…ふう…なんとか間に合ったぜ…」
「シカ、マル…」
右斜め前方から、シカマルが影真似の術で相手の動きを止めてくれたのだと気が付いた。その後、作戦通り事が進み巻物を奪い、雨隠れの忍びを追い払った。
「ちょっとレイ、大丈夫ー?戦闘中にぼーっとするなんてらしくないじゃない。」
「すまない。少し考え事をしていた」
「レイでもぼーっとしちゃう事あるんだね。ボクも時々あるよー」
「あのねえ、チョウジ。あんたとレイはぜんっぜん違うの!そもそもチョウジは…」
ギャーギャーと二人が言い合う様を見守りながら、シカマルからの鋭い視線に思わず頬に冷や汗が伝った。
ようやく巻物を揃え、塔に着いた頃には意外と時間ギリギリ。私たちは塔の内部に連れて行かれた。合格者が班ごとに一列に並ぶと、どうやらルーキー全員、無事合格したのが分かった。
ふと視界の端に赤が写る。あの時の砂の忍びだ。
相変わらず嫌な感じの目に寒気がする。
それにあの気味の悪いチャクラも感じる。おそらく大蛇丸が紛れ込んでいるのだろう。音忍の目つきもまとわりついてくるみたいで気持ち悪い。
全員が並び終わり、前を見れば各々の担当上忍たち、試験官たち、火影様…そして私の父、中忍試験最高責任者、水無月キオの姿もある。
目が合うと、ニッと歯を出し笑う父に思わず苦笑いがもれる。あの人はこういう所が子供っぽい。素知らぬ振りをしてくれれば良いというのに。
「キオさん、嬉しそうねー、愛娘が合格して!」
「言ってくれるな…」