町と心の修復方法
葬儀から数日後。今日は里の復興のため第10班で木の葉の里の瓦礫撤去作業を行う任務についていた。他班も同じらしく、辺りにはチラホラと同期が見える。
そんな中、私はいたたまれない気持ちになりながら大刀で瓦礫を小分けにしていた。何故いたたまれないのかと言うと。
「もうそん時のレイったらチョーかっこよかったんだからー!」
「うんうん、一つ上の先輩まで動かしちゃうんだもん、さすがだよね」
「それにヒナタの事も見抜いちゃうし!その後のフォローも上手いし!レイが男だったら私絶対サスケくんと迷ってた!」
原因はイノとチョウジ、この二人にある。
あの采配はシカマルを真似ただけだし、ヒナタを見抜いたのも写輪眼あってこそだと何度も説明しているのにもこの有様。
シカマルは何が何だか分からないと言った顔をしている。アスマ先生は他の任務に駆り出されていて今はいない。木の葉の緊急事態なのだから上忍が忙しくなるのも無理はない。
「でさぁ!レイのヤツスゲーんだよ!」
「うん…かっこよかったし…優しかったよね…」
「キバがここまで誉めるのは珍しい。何故ならレイを一方的にライバル視しているからだ」
少し向こうで聞こえてきた会話に頭が痛くなった。
第10班に課せられた地区の瓦礫が片付き、ようやく任務も終わりに差し掛かった頃。よく見知った気配が近づいてきた。
「おっ!やってんなァ!」
「「キオさんっ!」」
気配の正体は私の父だった。父さんの気だるげな声にイノやチョウジは嬉しそうに顔を上げる。
父さんは緊急執行委員会委員長に選ばれたとかで、ここ最近は忙しくしていた。家にいる事も少なく顔を直接合わせるのも久しぶりだ。
「今日は宴会っすか?」
「いやーよぉく分かってんなァシカマル!その通りだ!」
「キオさんがオレらの所にくる時って大体宴会の知らせっすからね…」
シカマルの言う通りで四人でいる時に限ってこうして父さんは猪鹿蝶親子で開く宴会の連絡をしにくる。
「忙しいんじゃなかったのか」
「たまには休みも大事なんだよ!このまんまだと俺ァ過労死すんぜ?なァ!シカマル!」
「いや、オレに振らないで下さい」
無理やり父さんに肩を組まされたシカマルの眉間に皺が寄った。ご愁傷様としか言い様がない。
「不謹慎なのでは」と考えていたのだが、父さんは私の心を見透かすように言った。
「こういう時だからこそ!猪鹿蝶と集まりてェんだよ!なァ!シカマル!」
「だからオレに振らないで下さい」
報告を終え、四人で私の家に帰ると皆慣れた手つきで玄関を抜け居間に行く。するとすでに沢山の料理が居間に所狭しと並んでいた。台所に行くとそこではお母様方がエプロンを身に纏い、まだ料理を作っている。
「わぁ!すっごい!コトさん一人で作ったんですか!?」
「半分くらいよー。後は皆で作ったの。あ、チョウジ君、摘み食いはダメよ?」
クスクスと笑ってこちらを見ずにそう言った母さん。チョウジは摘み食いしようとしていた手を慌てて引っ込めた。後ろに目でもあるのだろうか。
「えーっと、ここら辺の運んでもいいっすか?」
「ええ、お願いね」
「あ、これもお願いできるー?」
「おさえ箸はいるか?」
「うーん、食べちゃうと思うからいらないと思うわ。いらないわよねぇヨシノ」
「いらないとは思うわ」
「了解した」
「今日のデザートなんですかー?」
「今日はブルーベリーパイよー」
「ホントですかっ!?私コトさんのパイ大好きなんですよー!よーし!お手伝い頑張っちゃお!」
「あらあら、嬉しい事言ってくれるわねー」
「美味しそう…まだ食べちゃだめー?」
「ダメダメ!待ってこそ美味しく感じるんだから!」
「そうよー!今は我慢してお手伝い頑張ってね」
「…はーい」