第一関門突破
どういうことなのかよく分からないが、簡潔にまとめると…第一試験は合格できたらしい。
試験官から説明が終わると、窓の外に一つの気配が近づいてくる。それは前方の窓を突き破って試験会場に飛び込んできた。次の第二試験官は、めんどくさそうな人だ。
試験官から集合場所や集合時刻は各々の担当上忍から聞けと言われ、私達は席を立った。
上忍待機所に入ると中にはアスマ先生の他に夕日紅担当上忍とはたけカカシ担当上忍がいる。
「お、合格したみてーだな」
アスマ先生は私達面々の顔を見て言った。どうやら表情に出ていたらしい。アスマ先生から話を聞いて、帰ろうと踵を返す。
「ふぁ…めんどくせーことになって来たぜ」
「同感だな」
シカマルと会話をしつつ建物内を歩いていると、背後から気配がした。
「レイちゃん、ちょっと良いかな?」
はたけカカシ担当上忍だった。
強張る体にどうしようかとシカマルを見ると、シカマルはこちらを見る事なく私を隠してくれた。
「…俺らも疲れてるんで、また今度にしてもらえませんかね」
本当にこの幼馴染には感謝しても仕切れない。頼もしい背中に少し寄りかかった。
はたけカカシ担当上忍が去った後。
「助かった。いい加減どうにかしないと…」
「んぁ?別に大したことじゃねぇよ。それに普段助けてもらってばっかりだしよ、こういう時位カッコ付けさせろって」
シカマルにつられて頬が緩んだ。
家に帰ると、玄関にはたくさんの靴。中からは宴会騒ぎが聞こえてきた。猪鹿蝶親子のものではない。
廊下を歩いていると料理と酒を運ぶ母さんに見つかった。
「あら、レイ。ふふ、無事合格したんだって?」
「な…何で、それを…」
いくら何でも情報が早すぎる。しかし母さんは依然として微笑んだまま。手招きをされたため、近寄り客間を覗いてみた。
「あっはっはっ!やっぱコトさんのダンゴは美味いわあ!」
「ほー、んなに残したのか」
「今回は優秀な人材が多かったものですから」
酒を飲み交わしている父と特別上忍たち。総勢20人近くはいる。
これはどういう顔触れなんだろう。困惑して母さんを見上げると、母さんは悪戯が成功したかのように笑っていた。
「今日はね、中忍試験第一の試験終了宴会みたいなの。いうまでもないけど…企画したのは宴会好きのアナタのお父さんよ?」
母さんはすっと襖を開き中に入った。くるりと振り向き、顔を少し傾げて微笑む。
「ほら、レイ。今日は疲れてるんだし、手伝いは良いから…もう寝なさい?明日も頑張らなくちゃ、ね?」
私は母さんの言葉に小さくうなずいた。
自室に戻り襖を開ける。中庭の向こうから宴会の音が聞こえてきた。大刀を壁に立て掛けその横に腰を降ろす。
父さんは上忍で、お馴染みの通り猪鹿蝶のリーダー役。さらに中忍試験の最高責任者を任されているようだ。
剣の達人で、私の師でもある。シカクさん曰く、若い頃は有名だったらしい。何かあるととにかく宴会で、家は常に騒がしいのが唯一の悩みのタネだ。
母さんは元医療忍者。私の出産を期に忍者を引退。それまでは伝説の三忍の内の一人の弟子だったらしい。またヨシノさんとは幼馴染みで今でも仲が一番良い。
明日は第二の試験当日。月を見上げていた視線を落とすとそのまま瞳を静かに閉じた。