第ニ関門開始


翌日。中忍試験第一の試験を合格した者達は、第44演習場前に集まった。試験官からこれからの第二の試験について説明を受ける。

ルールは簡単。一班に一つの巻物を何でもありの争奪戦を繰り広げ、5日後までにその塔にたどり着くというもの。その巻物は“天”と“地”の種類があり、それを揃えることが条件だ。

説明後、同意書にサインをして己の決意の再確認を取る。つまりここからは死者もでる。それは自己責任だといいたいのだろう。

我等、第10班が同意書と引換に試験官から渡された巻物は“天”。誰が持つかという話になったが、三人が

「レイだろ」
「というかむしろレイ以外、誰が持つのよ」
「リーダーだしね!」

と口々にいうものだから必然的に決まった。出発ゲートに移動しつつ、不気味な演習場を見上げる。

担当の試験官につれられて来たのは27と掲げられたゲート。やはり見れば見るほど不気味だ。それに嫌な予感がする。私は眉をひそめた。

「命がけかよ…めんどくせーけどやるしかねぇな…こうなったらナルト狙いだ」

そう言うシカマルの隣では、チョウジが持参した菓子を再確認している真っ最中。イノが呆れた目を私に向けた。

「アンタ達ねえ!ちょっと、レイからも何か言ってやってよ!」

何かって…何を…。というか無茶振りはやめて欲しい。ゲンナリして左右に首を振った。イノが何やら喚いているのは聞こえないふり。

その時、ゲートが開け放たれた。

「行くぞ」

三人がうなずいたのを確認して先頭を走り出す。

嫌な感じはますます膨らむばかりで一向に拭いきれない。じわじわと後ろから何かが這ってきている、そんな気分だった。

▽▲▽


開始四分。背後でチョウジの歩調が崩れ始めた。ハンドシグナルで後ろ三人に止まるよう指示を出す。

「レイ、どうしたの?」
「休憩取ろう」
「はあ?!まだ開始して間もないじゃない!」

憤慨するイノに申し訳ない気持ちになる。しかしチョウジを置き去りには出来ない。シカマルがため息をついた。

「イノ、レイはチョウジが遅れ出したのに気づいたんだよ。おめーはチョウジの前だから、気づかねーだろうけど」
「あ、の、ねえ!!レイはいっつもチョウジに甘過ぎなのよ!」
「イノ」
「だいたいねえ!」

叫ぶイノに何も言えずにいると、シカマルがイノをいさめる様に言った。が、効果はなくイノはくどくどと文句を続ける。…禁句だけは口を滑らせるなよ…と願っていたその矢先。

「それだからアンタはデ…」
「「イノ」」
「それ禁句」

ピクリと反応したチョウジ。冷や汗が伝った。チョウジの暴走は止められない事もないが、実力行使になるためできればやりたくはない。

「イノ」

声かけるとイノは口を閉じた。

「三人はチョウジが回復しだい先に進んでてくれ。私は塔付近にいくつか罠を仕掛けてくる」
「え!だって塔まで10km近くあんのよ!?いくらなんでも…」
「大丈夫だよ」

慌てるイノに、チョウジが自信たっぷりの表情でさえぎる。

「だってレイは下忍で一番足が早いんだから。それにレイの速さは僕らが一番知ってるはずだ」
「あ…」
「ま、そういうこった」

チョウジの言葉にイノは声をもらしシカマルはポケットに手を突っ込んだ。

「私は自分でもチョウジには甘いと思ってる…けど…私はイノやシカマルにも同様に甘いと思ってる」
「うっ…否定はできない…」


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