ピヨモンがバードラモンに進化し、メラモンとの勝負は決着が着いた。
メラモンが意識を失うと火の海は鎮火し村や山は元どおりに。
気がついたメラモンに話を聞くと、メラモン自身もよくわかっていないようだった。おそらく体の中に黒い歯車が入り込んでいたせいで自我を失い、暴れてしまったのだろう。
ひと段落ついたところでようやくピョコモン達がご馳走を振舞ってくれた。しかしご馳走というのはあくまでピョコモン達にとってであり、決して人間向けではない。
渡されたのは木のボウルいっぱいの穀物のような物だった。
落ち込むものの背に腹は変えられない。皆ピョコモン達に囲まれながら口に運んでいく。
「いやー!あたしやっぱりお家に帰りたい…」
ミミの叫び声と子供達の笑い声がピョコモンの村に響き渡った。
「ルル、少し元気出たか?」
レオルモンは恐る恐る声をかける。
穀物を頬張るルルの表情はピョコモンの村に着く前よりいくらか明るくなっていた。フードももう被っていない。
「うん、さっきはごめんね。暑くてイライラしてた」
「元気出たんなら何よりだ!」
ニシシと笑うレオルモン。ルルは申し訳なくなり力なく笑い返した。
→→→
ピョコモンの村を出発し、子供達はまたあてもなく歩いていると今度は工場にたどり着いた。
何かを作っているらしく様々な機械が稼働している。手分けして工場内を捜索することになり、太一、空、丈のグループとヤマト、タケル、光子郎、ミミ、ルルのグループに分かれた。
ヤマト達が進んでいくととある部屋にぶつかった。
「動力室だ!」
「中に入ってみよう」
ヤマトが扉を引くと巨大な物が目に飛び込んできた。
一番に部屋に入ったのは光子郎。
「大型電池とモーターだ!こんなもので動かしているなんて!」
部屋の中には見たこともない大きさの電池とモーターが稼働していた。
光子郎は嬉々として動力室を調べ始める。最初はヤマト達も調べてみるがいかんせんこの部屋はあまり大きくない。あっという間に調べ尽くしてしまった。
しかし光子郎は未だ熱心に調べている。
「まだ調べるのか?」
しびれを切らしたヤマトが光子郎に声をかけた。
「はい。先を急ぐんでしたら皆さんだけどうぞ。僕は残ってもう少し調べます」
調べている電池から目を離さない光子郎にヤマト達は顔を見合わせる。
ここにいた所でこれ以上収穫はなさそうだとヤマト達は先に進むことにした。
進んでいくと今度は制作ラインであるベルトコンベアにぶつかった。
「一体何を作ってるんだろう」
「きっとすごい物に違いないわ!時間を逆戻りさせちゃう機械とか、大人と子供が入れ替わっちゃう機械とか!そういうの」
「あれ?」
「停電か?」
タケルの疑問にミミが予想で答えた瞬間、フッと工場の明かりが消え、ベルトコンベアの動きも止まってしまった。
「あ、また動き出した!」
「何だったんだろう」
そして何事もなかったかのように明かりがつき、ベルトコンベアも動き出した。
「よし、先を急ごう」
ヤマトの掛け声で一行はベルトコンベアをたどって歩き始める。すると。
「ええーーっ!」
「何なのこれー!」
タケルとミミの声が木霊するかのように響いた。ルルとヤマトは瞬きを繰り返す。
なんと作ったはずの物を同じベルトコンベアラインで解体しているのだ。
混乱しているミミやタケルを連れ、ヤマトは一先ず外に出ようと建物の屋上に来た。二人を落ち着かせ一旦整理する。
「要するにこの工場では製品の組み立てから分解までを一つの工程としてやっているんだ」
「組み立てられたものは分解され、分解されたものはまた組み立てられ…それが永遠に続いているだけ」
ヤマトとルルの説明を聞いたタケルとミミだったが実感が湧かないのかポカンとしていた。
「で、結局何を作ってるわけ?」
「何も」
「「えぇ?!」」
「この工場では実は何も作ってないんだ」
タケルの質問に答えたヤマトの一言でようやく二人は実態を理解した。
「みなさーん!凄い発見がありました!」
すると屋上の扉から光子郎が姿を現した。
光子郎と合流し、話を聞いていると今度は太一達が走ってやって来る。
「逃げろ!アンドロモンが!」
太一がそう言いかけたその時、太一達とヤマト達の間の地面が割れ、そこから機械をまとったデジモンが現れた。
「「うわぁ!」」
アンドロモンがヤマト達に標的を絞り、ガトリングミサイルを発射する。ルルはミミの手を引いて慌てて逃げるがタケルが逃げ遅れてしまった。
「タケル!」
「オレに任せて!」
ガブモンがガルルモンに進化し、前足でミサイルを薙ぎ払いタケルを守る。
ガトリングミサイルの片方は爆破したが、もう片方は標的を太一達に変え、攻撃し始めた。次はアグモンがグレイモンに進化し、ミサイルを爆破する。
グレイモンとガルルモン2体でアンドロモンに立ち向かうものの歯が立たない。
子供達の間に緊張が走ったその時。テントモンが何か思いついたのか、光子郎に一つ案を持ちかけた。