幼馴染ゲット

三歳になった四月。私は幼稚園に通い始めた。
折り紙もお絵描きもお歌も、お茶の子さいさい。人生2回目、イージーモード。そんな環境にかまけていたら、いつの間にか天才幼稚園児になってしまった。

幼稚園の先生方はチヤホヤしてくれる。それが他の幼稚園児には気に食わなかったらしい。自然とボッチになってしまった。

話しかけても「眞白ちゃんは入れてあげない!」とか「眞白ちゃんこっちこないで!」と言われる始末。取りつく島もない。

今後は気をつけよう。人生二度目とはいえ平和に生きたい。それでなくても美少女なんだから。自分で言うなと言われるかもしれないが、本当なのだから仕方ない。

色素の薄いふわふわの髪、ぱっちりお目目、色白。文句なしの美少女。もう一度言う、文句なしの美少女。

そんな見た目だし妬み等は今後の人生には付き物だ。そこは人生二度目の余裕を見せていこうと思う。

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今日は絵本でも読むかと本棚に向かうと、一人の男の子がいた。その手には絵本が握られている。
これはチャンスとばかりに男の子に駆け寄った。友達作ろう作戦決行だ。

「ねえ、君、いっしょに絵本読まない?」

…ナンパか?私はどこぞのナンパ野郎なのか?

話しかけ方を完璧にしくじったかと思ったが、男の子は気にしないでくれた。さすが幼稚園児、純粋極まりない。

「うん」

小さく頷いた男の子の胸元の名札には「ゆうきてつや」と書かれていた。どっちが名前か分かんない名字だ。

「わたし、田之倉眞白、君は?」
「結城哲也…」
「じゃあテツ君だね」
「…なら…シロって呼ぶ」

友達第一号はどうしてもあだ名で呼びたいという密かな願望があったのだが、すんなり叶ってしまった。ありがとう、テツ君。

それにしてもテツ君、目力半端ない。ちょっと怖いくらいだ。そのせいでボッチだったんだろう。近くで見るとなおさら引き込まれそうな瞳をしていた。

「シロ…ページ…」
「ごめんごめん」

絵本のページをめくりつつ思う。この子、めいちゃんと並ぶくらい将来有望だ。イケメン、というか男前になる事間違いなし。

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絵本事件から、テツ君と私は席もずっとお隣、遊ぶ時も一緒、お昼寝の時もお隣。べったり過ぎるかもしれないけど、それ以外に友達が出来ないのだからしょうがない。テツ君のことも放っておけないし。

先生方もそれを考慮して、いつも私とテツ君をペアにしてくれた。たまに交友関係を広めさせてくれようと別々に組んでくれる。するとテツ君はだんまりを決め込み、更に直立不動になってしまうのだ。そうなるとやはり私と組ませざるを得ない。この子、この歳で相当頑固だ。

「テツ君、他の男の子と遊ばないの?」
「別にいい、シロがいれば」

おいおい、育て方間違えたか…?育ててないけど。ただ確実に距離感を間違えた。